いつものお国＜092＞

少しだけ持ち上がった。ラジオの告知に行ったからだ。
八月の『今宵は殺意で眠れない』の告知だ。あの駐車場のみなさんと話ができて心底楽しかった。

楽しかったといえば、昨日のこと。気分転換に嫌々出かけたある服屋、店員との数秒の会話も楽しかった。休日で、セールで、忙しいはずなのに、誰も彼もがいい笑顔だった。

自分を、嫌な思いをした方がいい人だなんてよくもまあ言えたもんだ。反芻してると吐き気がする。

稽古が終わり海へ。お気に入りの。ずいぶん来ていない。ということは、ずいぶん満ち足りた生活をしていたわけだ。
一人でいたいのに、夏休みか、学生がたむろしている……うぜー。わしゃどこに行けばいいと？
頭が痛い。昨晩、片付けをしたので少し気が楽だが。今更ながら、要らないものを捨てられない性格を恨む。結局、溜め込んだ希望は一片も残らなかった。気付くのがいつでも遅すぎる。帰って飲んで寝よう。