いつものお国＜092＞

夜中、スーパーマーケットの駐車場に車を停め、ダラダラしていた。
ほどなくして、すぐ隣りに警備会社の車が停まった。
ヘルメットと防弾(刃？)チョッキを装着した男二人が、さっそうと車から降りる。
一人がスライドドアを開け、後部座席から大きな布袋を取り出す。
もう一人は横に立って周囲に気を配っている。
…おい！何、こっちをジッと見てんだよ！！
横に停めなきゃいいだろ！
空いてるとこたくさんあんじゃん！
二人は、わたしに警戒しつつ車から離れ、袋を持って店内に入って行く。
お前らが強盗みてえだよ。
しばらくして、二人は戻って来た。
ドアを開け、袋を積み、そしてそれを衛る。
…だから、ジッと見てんじゃねぇ！
作業を終えた二人は、視線を最後までわたしに残しながら乗車すると、来た時と同じ様にさっそうと夜の街に消えて行った。